Oral Tradition

このページでは、口承伝承の信頼性の問題について、簡略に語ります。

口承伝承やその歴史的価値についての 古い文献を紐解くと、 この主題については、いくつかの歴史考察的な学派があるようです。

私は、口承文学というものが、根本的に歴史的事実を伝えられないとするような 理由は、なんら見いだせません。 もちろん、こうした史実は、歴史的根拠のない大量な詳細記述のなかに埋もれている のではありますが。
しかし、もっとも重要な点は、

ある口承伝承が、歴史的事実をのこしているというならば、論より証拠だということです。

私は、口承伝承が、ディートリヒ・フォン・ベルンやニーベルンゲン族についての歴史的事実をいくつか のこしていると、主張します。そしてそれらは 『シドレクスサガ』に書き残されたのだと。

自分の鉄則に沿うならば、証拠を出さなくてはなりません。

しかし、口承文学が歴史的資料となりうることが、はたして能性か不可能かという、 机上の論議、この靄とした迷宮に首をつっこんで証拠を探そうとは、さらさら 思いません。その理由はいくつかあります:

まず、なにかを証明する以前に、その提議問題を考えて見ましょう。

リッターは、 『シドレクスサガ』 に、5世紀の英雄たちについて正確な情報がつたわっていると 信じていることから、口承文学も、いずれそれが筆に下ろされるに至るまで、 信頼性のおけるかたちで伝えられる、と信じていることになります。

リッターは、書き下ろされた 『シドレクスサガ』が、5世紀のライン地方の地理学について正しい情報をつたえていることを 提示して、その信頼性を証明しようとしています。
もしこの証拠が受け容られれば、口承伝承が信頼置ける情報を伝えられるということになります。 なぜならば、 『シドレクスサガ』は、口承文学をその情報元としているからです。

私もリッターにならい、執筆作品としての『シドレクスサガ』 を(特にベルタンガラントの部分についての)出発点とします。、

まず、 『シドレクスサガ』 で語られるベルタンガラントの物語は、これとは個別に 古いデンマークの民謡に保存されており、 口承文学であったことを伺えさせます。

私見では、ベルタンガラントの物語の台本は:

もし、この上の二文が証明されるとあらば、口承伝承は、歴史的事実をつたえる、 務めをなかなか良くはたしたといえるでしょう。

これらを証明するには、5世紀の社会や政治的機構を すこしつまびらかに見分する必要があります。

5世紀の社会や政治的機構に
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