* 「スノーリのエッダ」は手写本に章番が振っているわけではなく、章分けは(分割される箇所も、採番も)編者によって異なる。
「詩の語法」49章というのは、私が使った
ブローダー (Arthur Gilchrist Brodeur 1888-1971)による英訳
『The Prose Edda』 (1916 年刊)による章の分け方(Chapter XLIX)である。そしてその底本は、ブローダーが
序文でふれている
フィンヌル・ヨーンソン (Finnur Jónsson 1858-1934) により版行用下準備されたアイスランド語版
『Edda Snorra Sturlusonar』(1907年刊)(→
表題ページ画像)で、
Íslendinga Sögur シリーズ (Reykjavík 市:[Sigurður] Kristjánsson 社 1891-1907 年 全41巻)の第41巻目として出ている vii + 429頁の単行本サイズ(縦幅18cm)である。こちらの市立図書館では、アースムンダルソン (Valdimar Ásmundarson 1852-1902)編のシリーズとそう
カタログ掲載している。ただ、本じたいには、シリーズの"41巻"だなどとの記述は見つからなかった。この 215 ページ(第49章→
画像)が「ヒャズニングの戦い」の章。
北欧テキストは、以前ダウンロード入手したものを流用していたのだが、今回このフィンヌル・ヨーンソンの1907版の第41章にある一字一句と照合させることにした。変更箇所は赤く色換えしてあるが、さしたる変更でないことがおわかりいただけるだろう。(幾つかは、単なる入力ミスのようである)ただし、フィンヌル・ヨーンソン版は、改行とインデントが無いのだが、これは便宜上、そのままに残しておいた。フィンヌル・ヨーンソンは、引用される詩の、詩節ごとに通し番号を振っている(ここでは 252 ~ 257)。そして巻末の"
Skýringar vísna[詩歌の説明]"で詩を普通の散文に読み下し、ケニングの意味は括弧で解き明かす。
フィンヌル・ヨーンスンは、1907 年アイスランド語版よりさかのぼって1900年デンマーク語版(デンマーク訳ではなくて解説や脚注がデンマーク語)を出しているが、その校訂本では、「ヒャズニングの戦い」は「47(50)章」らしい。(Jinn さん談)。また、一般的に参照されるのはフィンヌル・ヨーンソン編1931年版(København : Gyldendalske boghandel, 1931. lix + 273 p. 24cm B5サイズ)があるが、こちらは実見していない。フィンヌル・ヨーンソン編 1924年は、Codex Wormianus 写本のもので、ややこしいから詳述しないが、これも章分けが違う。
また「ヒャズニングの戦い」の引用箇所を、
エッダの「詩語法62章」とする邦書もある。
『北欧神話』(菅原邦城:著 東京書籍
ISBN: 4487750474 1984 年)、80ページにあるという。これについては、幻想世界小辞典サイトの
:ダーインスレイヴの項、
掲示板より)。私の確認したところでは、
グズニ・ヨーンソン(Guðni Jónsson 1901 - 1974)が"
版行用に下準備した『Edda Snorra Sturlusonar með Skáldatali (スカルド詩人目録つきのスノーリのエッダ)』(1935 年刊 1945 年復刻)(→
表題ページ)において「ヒャズニングの戦い」が第62章であった。詳しく言えば、このグズニ・ヨーンソン校正1935/45年版の第62章(→
章初ページ画像)は、フィンヌル・ヨーンソン 編/ブローダー訳の第 48-49 章の二章分のテキストのほぼ全部を含むが、上の "Orrosta er veðr Óðins" (拙訳「戦いはオージンのの風候と呼ぶが、. .」)以降からが第63章(→
画像)という構成になっていた。
また、グレンベック著/山室静訳『北欧神話と伝説』(新潮社 1971)の「永遠の戦い」の章でヒャズニングの戦いについて語られており、「ダインスレイフ」の記述が p.160 にあるとのこと (水槌 さん談)。